旅豆倶楽部~お豆さんとともに~ vol.8【奈良県縦断・日本一の路線バス編】

お久しぶりです。冨士屋製菓本舗の中の人「ぴー」です。

10月もあと1週間。暑い夏も終わり、すっかり秋めいたと思えば木枯らしが吹くという…季節が目まぐるしく変わってきています。そんな中の先々週10月9日、小学6年生の次男と「中学生になる前に乗ってみたいよね」と、かねてから話していた「奈良交通八木新宮線」の日本一の路線バスに乗ってきました。

日本一の路線バス…その詳細は?

路線バスなのに、なんと全長169.9km、停留所の数168個。奈良県の奈良交通が運営されている路線バスで、始発近鉄大和八木駅前から御所駅前、和歌山線五条駅前を経由し、国道168号線をひたすら南下し終点和歌山県の新宮駅へ向かいます。便数は大和八木駅前発が9:15、11:38、13:38の合計3本。それぞれ新宮駅には15:47、18:24、20:22に到着します。ちなみに途中3か所で休憩があり、そこでトイレは済ませてというアナウンスが道中頻繁に放送されます。

始発から終点までの料金は大人5350円…格安高速バスで十分東京まで行ける料金です。料金は一般的な路線バスと同じように、降りるバス停で直接現金での支払いや、ICカードでの支払いが可能とのことでした(チャージは不可)が、奈良交通の営業所で販売している「168バスハイク乗車券」は2日間有効で途中下車が可能なので、途中1泊して、あとの便、または次の日の新宮行きのバスに乗車することができます。

もともとこのルートに鉄道を走らせる計画がありました

奈良県五條市から和歌山県新宮市まで、かつては鉄道を走らせる計画があり、このバスが走る国道168号線沿いにはその痕跡が至るところに残されています。その計画が頓挫しましたが、平成8年まではその痕跡の一部をバス専用道路として活用していたそうです。仮に鉄道が敷設されて現在も走っていたとすれば、京阪神から南紀方面への最短ルートの鉄道となっており、南紀方面への観光客に流れも現状とは違ったものになっていたことでしょう。

途中3か所の休憩ポイントがあります。

五條バスセンター(奈良県五條市)

国道24号線沿いにあるイオン五條横にある奈良交通のバスセンターで、JR和歌山線五条駅から徒歩で15分程度の位置にあります。10分間の休憩、停留所の目の前にお手洗いがあります。路線バスであるがゆえ、飲みものや食べ物の販売がありませんので、この停留所から乗られる方は、ここで前もって買い物をしておいた方がよさそうです。

上野地停留所(奈良県五條市)

この停留所のみ20分間の休憩があります。停留所から少し歩いたところに日本一の吊り橋「谷瀬の吊り橋」があり、その休憩の間に吊り橋を往復できます。渡り切る時間は人によるかも知れませんので随時時間をチェックしておいた方がいいかもしれません。ちなみに3つの休憩ポイントの中ではもっとも新しいきれいなお手洗いでした。

十津川温泉(奈良県十津川村)

十津川バスセンター。バス停の目の前にお手洗いと足湯があり、足湯で軽く疲れを取ることができます。この10分休憩を利用して、バスセンター前の公衆浴場「庵の湯」に入ったことがある知人がいるのですが、10分ですもんね…さすがに真似をしようとは思いませんでした(笑)。

ちなみに終点の新宮までまだ2時間掛かりますが、最終のトイレ休憩になる点は要注意です。

その他のみどころ

忘れてはならない災害の爪痕。平成23年の豪雨水害。

平成23年の台風12号が襲来した際に発生した大水害。まさにこのエリアが甚大な被害を受けました。山全体が大量の土砂となって崩れる「深層崩壊」が発生し、その土砂崩れによって被害を受けただけでなく、谷底に溜まった土砂が川をせき止めて川の水位が上昇して浸水し集落ごと飲み込む等、今まででは考えられないような豪雨による災害が紀伊半島全体を襲いました。現在も消えることなくその爪痕は至る所に残っており、自然災害の凄まじさを目の当たりにします。言葉を失います。

終点到着

15:47終点新宮駅前に到着。新宮市は和歌山県の東海岸側にあたり西の山側に日が暮れるため、同じ和歌山県の西海岸側と比較して日が暮れるのが凄く早く感じます。6時間半もの長い間昼食も摂らず運転、しかも要所要所での観光ガイドなどを話しながら運転し続けた奈良交通の運転手Sさんには脱帽です。那智勝浦のご出身だそうで、明日の便で奈良へ戻られるとのことでした。楽しい旅でした。ありがとうございました。

なお大和八木から降車せずに終点まで乗り通したので、記念品として吉野杉を使用して作られた記念乗車証(めちゃくちゃ杉の木のいい匂いがします)と、全ての路線図が記された記念のパンフレットが配られました。

今回は日帰り

目的地に到着したところで、場所が場所だけに一泊…と行きたいところでしたが今回は都合上日帰りで帰阪。大阪方面の最終くろしおで帰路につきます。「くろしお指定席きっぷ」という企画乗車券があり、大人も正規料金と比較して割安に乗車できるだけでなく、同伴子供は一律1000円で乗車できる割安な切符です。前日までのネット販売のみなど販売条件が色々ありますが、紀伊勝浦や新宮だけでなく、近場の紀伊田辺・白浜まででも結構な割引率です。もちろん南紀産の大好物を入手してからの乗車です。夕方ということもあり割引シール付きですが、新鮮さは抜群でした。

南紀に行くと是非立ち寄りたいグルメスポット2軒

中の人のオカンがこの地域の出身ということもあり、お盆やお正月に帰省することが多かったのですが、その際に立ち寄ったことがあるグルメスポットで中でもイチオシなお店を2軒紹介させて頂きます。

新宮市「香梅堂」

以前に聞いたことがあったのですが、今回移動中に家族へのお土産をどうしようか悩んでいるところ、和歌山に住む楽豆屋ヘビーユーザーの方にゴリ押しされました(笑)。新宮駅からは10分程度歩いたところにある和菓子店。国道42号線沿いにお店がありますが、駐車場もあって車での買い物も安心です。

他店の催事などでは何が何でも出展されないそうです。それだけ和菓子としての質は良いものなのかも知れないですね。お勧めは「鈴焼き」。そのままパクっといくのもOKですが、自宅でトースターで軽く焼いて食べると絶品です。

新宮市「香梅堂」公式HP>>こちら
新宮市「香梅堂」食べログ>>こちら

とても伝統がありそうな佇まい

那智勝浦町 市場ごはん「しげ」

マグロで有名な勝浦漁港内「にぎわい市場」にある食堂。朝8時から朝ごはん定食として地魚の刺身を使った定食を食べることができます。地魚は日替わりですが、イトヒキアジやヨロリなど、大阪では聞いたことのない名前の魚が時々登場しています。それがまた旨いんです!

市場ごはん「しげ」公式instagram>>こちら

女性店長おひとりで開かれています。とても清潔感のある新しいお店です。

最後に…

あまり大きい声では言えませんが、今回大事なものを忘れてしまいました…なので帰宅してからポリっと。。

旅にはお豆さんが必要です。最後までお読み頂きありがとうございました。

この記事を書いた人

中の人ぴー

冨士屋製菓本舗の製造担当「中の人ぴー」。工場内では豆への粉付けから焙煎、味付けのほか、機械修理、水道配管補修、溶接、塗装、電気配線…なんでもやりますが、年に1回だけ鬼になります。

趣味は旅行と野球観戦。旅行は主に鉄道旅行が大好き。普通電車だけの長距離移動でも全然OK。野球観戦はオリックスバファローズファンで1軍、2軍問わず観戦します。屋外の球場でビールを飲みながらの観戦が至福のひと時。

好きなスポーツは水泳、OWS(オープンウォータースイミング=遠泳)を最近少しかじりだしました。40代後半に差し掛かりますが、まだまだ食欲旺盛のため、ボディライン評価は10段階の2.3くらい。