冨士屋製菓本舗が考える豆菓子とは
豆菓子の中の「かけ豆」
豆菓子と呼ばれるものは、沢山あります。
甘納豆もそうですね、焼いただけのナッツもそう呼ばれるかな?
豆板、プラリネという飴で固めた物など、このごろは豆が入っているお煎餅や、豆の入ったお菓子、スイーツは全て豆菓子のハッシュタグがつけられている。
しかし、豆菓子を作り始めてから100年を超えている冨士屋製菓本舗では豆菓子とはと聞かれたら!
『中心となる豆に寒梅粉(もち米の粉)をかけて焼き、味付けをしたもの』とお答えします。
これが「かけ豆」である豆菓子です
豆菓子の作り方
①は冨士屋製菓に納品されたカシューナッツです。豆(ナッツ)は一旦火を通している物と通していないものがあります。ピーナッツとアーモンドは生のままで使用します。
カシューナッツ、大豆(黒豆)、空豆は一旦火が通っています。
②粉かけをしたカシューナッツです。きれいに寒梅粉(もち米の粉)をカシューナッツに付けますこれが職人の技です。
③は焼いて(煎って)味付けをしたカシューナッツです
大まかにはこの3つに分かれています。豆菓子の味付けによって工程は変わりますがこれが基本です。
粉かけ(粉まき)
豆に砂糖水をかけながら、寒梅粉、小麦粉などを配合し
層を作るようにかけていきます。
年間を通して安定した仕上がりになるように、何年もかけて失敗と成功を繰り返し技を身に付けます。職人の技で、気温や湿度にも左右され、季節によってその技を巧みに操ります。
焼く(煎る)
冨士屋製菓本舗の豆菓子はガスの直火で焼いています。
煎り機でグオングオン音を立てながら大きなザルが動きます
動画でないとわかりにくいと思いますので、簡単な動画をInstagramでご欄ください。
火から豆菓子をあげるタイミングは職人の技で、この感覚は中々難しく四苦八苦しています。職人の技を取得するまで最低3年はかかるでしょうが、最近の気候の変動が大きいので、ベテラン職人も大変です。
味付け
焼き終わった豆菓子は、この味付けの部分から色々な工程に分かれます。醤油味や塩味などはこの画像の工程になりますが、砂糖掛けといって「メープルカシュー」などのあのお砂糖のカリカリの部分を作るのは砂糖掛け専用の機械で6時間から8時間はかかります。また粉のかかった豆菓子「むらさきいもっぴー」や「あーもんどエスプレッソ」はこれもまた別の工程で、社長が一手に引き受けて作っています。
冨士屋製菓の豆菓子の味付けは、香料やシーズニング(科学的にその味に近いものを作って調味料としている物)に頼らずに作っているので、ここの工程がとっても大切です。
豆菓子屋として言いたいこと
豆菓子を食べるタイミング
豆菓子を食べるタイミングで一番思い浮かぶのがおつまみですよね、これは恐らく柿ピーのイメージからだと思います。もちろんお茶請けに、お子さんのおやつに、ちょっとしたおもたせに、お稽古の差し入れにと需要は伸びています。楽豆屋のお客様のアンケートでも「しょっぱい系の豆菓子が好き」というお客様が60%です。「甘い系の豆菓子が好き」とおっしゃる方は30%で「体に良い感じのもの」というお客様が10%、小分けにされたもので少しずつはテトラタイプ、やっぱり好きな物を沢山と思われる方はチャック袋タイプ。そしてご進物(ギフト)では断然小分けのオシャレな高級感ある詰め合わせが、日持ちもするのでお取り寄せとしてもとても人気です。
豆菓子を検索しますか?
豆菓子を食べたいと思って検索してくださる方が増えているとはいえ、焼き菓子の種類に入ったり、大きなカテゴリーですと和菓子になってしまします。豆菓子というカテゴリーはまだまだ確立されていないのです。ですが豆菓子を知っていただき、「あぁ~そろそろ豆菓子を食べたいな~あったかいお茶と合わせたいな~」とか「手土産にするなら、珍しいし、日持ちするから豆菓子にしよう」なんて思ってもらえたら、冨士屋製菓本舗 楽豆屋の豆菓子でなく、豆菓子業界の全体の活気が付き、
50年ほど前に冨士屋製菓でも「作れば作るほど売れた!」なんて話の時のようにまた次の世代にも素敵な話が少しでも残せる気がします。
戦前から、庶民の味として慕われてきた豆菓子はほんの少し姿が変わりましたが、職人の技は進化しつつこの日本の大阪に残っている伝統の製法や技は残していけるものと思っています。
豆菓子の美味しさを伝える伝道師として三代目の嫁は頑張ります!